ローズ・イン・タイドランド

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ローズ・イン・タイドランド

【概略】亡くなった祖母の家でひとりぼっちになった少女、ジェライザ・ローズは、灰色リスに誘われて不思議な世界へと迷い込む。
ファンタジー

.0★★★★☆
ジョデル・フェルランドちゃんの子役時代の作品ですね、私は「サイレントヒル」の時にこの子ええわあと思ったのですが、それよりも前に本作「アリス」を意識しつつもダークファンタジーとした独特の雰囲気を醸し出した作品があったんです。長い間DVD棚に入っていた…。(だってなんかヤク中毒の両親でしょ、悲惨な末路しかないと思って)

ジェライザ・ローズは元ロックスターの薬中の父と、同じく薬中の母と暮らしているが、母がオーバードーズ(OD)で突然死。父はローズを連れて自分の生まれた家に向かう。廃墟同然の家についたら父も薬で小さな旅にでてしまい動かなくなる。ローズは首だけのバービー人形4体と枯れた草原を探検して回るのだったが…。

ジョデルちゃんの演技力がとにかく素晴らしい。ある種の「雰囲気」をもっているんですよね彼女。「サイトレントヒル」でもそれは凄く感じられて、恐ろしいくらいで、好きになりました。

実際の所はもっとキッチュな空想めいた世界が映像化されているのかと思いましたが、廃墟の中でローズが夢想している様子そのものが描かれていました。ローズのおかれた悲惨な状況が見ている側にとても伝わる描き方でした。

観ていてとても痛々しい映画なのですが、ジョデルちゃんがそこは華を添えていて。ストーリーも少女の夢想が中心ということで脈絡のない意味不明な展開が続くけれど、なによりこの独特の雰囲気を持つジョデルちゃんなので「美少女映画」になっている。

ローズの1人遊びの、気味が悪いようなところが、妙にノスタルジックだった。他人の目を気にせずに自分だけの世界に陶酔する無邪気さ。子供の頃に誰でももっているような天真爛漫さが不気味であり眩しかった。

ローズは人形の頭部に人格を分裂させて自分を守る。「まともな大人が一人もいない」現実世界を、幻想・夢想の力で駆け抜けようとしているような。
シュールなファンタジーに包まれた、少女の現実と逃避。殺伐としてグロテスクで現実的で究極のイノセンス。

ジョデルちゃんの美しさ、可愛らしさ、危うさ、魔の聖性が、うまくテリー・ギリアム毒に溶け込んで不思議なバランスを作り出しています。

人を選ぶ映画で、生気がなく希望もない現実の汚さと、夢想中の摩訶不思議な出来事。薬物中毒、死体愛好、児童虐待、小児性愛、などと暗黒すぎるキーワードがグロテスクすぎますが、想像力ほど残酷なものはない。夢想からはどんなに願っても現実を創れず、ただただ悲惨な末路が待っている。腐臭を放つ父を剥製にして腹の中に人形の頭を入れるとかね。どんどん腐って悪臭を放つ父に、「もう!またオナラしたでしょ!」とかって話しかけるローズの無邪気さが怖い。

ラストは巨大ザメをディキンズが殺して(線路を爆破させ)、出会った親切そうなおばさんが面倒見てくれ…そう?というところで終わっています。

父親の服のえりの「ことぶき」が気になります、なにあれ?(笑)

 

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