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赤い影

【概略】イギリスの考古学者ジョンは妻のローラと訪れたベニスで盲目の霊媒師と出会い、事故で失ったばかりの娘の溺死体の幻影を見る。謎の真相の糸をたぐりに、霊媒師を通じて娘とコンタクトを取り、意外な事実に突き当たる…。
サスペンス

.0★★★★☆
オカルト・サスペンスと言った感じ。ニコラス・ローグ監督作品。

不慮の水難事故で愛娘を失ったジョンは数ヶ月後、妻ローラを連れ、仕事でイタリアのベニスに滞在する。或る日、夫婦はレストランで老姉妹と知り合い、盲目の霊能力者ヘザーから事故で亡くした娘の霊の存在を聞かされる。

妻はヘザーの言葉を盲信するようになる。しかも「すぐにベニスを去らないと、ジョンの命が危ない」と言う忠告を残していた。その頃、街では何者かによる連続殺人事件が発生、ジョンは赤いコートを着た娘の幻影を見るようになるのだが…。

赤いコート(レインコート)は、娘が溺死した際に着用していたものである。そして、赤いコートの人物が振り返る最後の瞬間に向けて物語は収束してゆく。
一見まともな夫のほうが、実は娘の霊を妄信する妻よりも、幻想的な幻をみるようになるという、トラウマを抱えた心理的恐怖感を感じさせる。

死体が水から引き上げられるシーンがあることで、水の都ベニスが瞬時に死の都へと変貌する様がなんとも恐ろしくもある。異国感というだけではなく、ただの背景というだけなのに、ベニスという街自身がもっている死の臭い、呪われているかのような暗い闇の部分が色濃く出ている雰囲気が、なんともいえない。迷宮的な要素もあり、まるで精神的迷宮に迷い込んだかのようにも思える。

夫婦二人の愛の営みが長い事でも有名な作品ですが(描写的には愛し合っている長年の夫婦の日常の営みと言う感じで、扇情さはさほどありません)、それさえ抜かせば、全編にわたって、背筋にいやなものが走る不気味さで不穏で、わけがわからない恐ろしさに満ちています。

最後まで恐怖を見せない映画でありながら、「赤」と言う色を上手く盛り込む事により、ビジュアル的にも優れた作品となっていて、非常に巧い。

赤いコートの人影。これを追いかけ、話は破滅へと進んでいく…。

ラストは衝撃的でしたが、自覚はないがとある能力を持った男の堕ちていく動機が娘を失った事というのが、悲しくも切なくさせる。

しかし何でベニスで葬式なんだ、とそこは疑問。普通、英国でじゃないの??

 

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